武道家必読!?ジョブズも愛した武道の名著「弓と禅」とは??

 

どうも、おがわです。

 

 

今回、ご紹介するのは武道の名著「弓と禅」です。

 

この本はアップル創業者のスティーブ・ジョブズの生涯の愛読書で、私も名前だけは知っていました。

 

 

武道家(合気道家)のハシクレとして、この本は読んでおかないと!と、

 

昔から思っていましたが、何となく手に取る事なく、ここまで生きてきてしまいました💦

 

 

だって 

 

だって、なんか難しそうなんだもの!

 

 

しかし・・・ 

 

コロナの影響で、道場が閉鎖して、むちゃくちゃ暇になったので、脳みそフル回転で、頑張って読んでみました。

 

 

そんなに長くないけど、やっぱり少し難しい・・・

 

禅問答のようなやり取りで、現段階の私には難しい内容ですが、

 

 

たぶん、さらに合気道の稽古を重ねて、数年後に読んだら、より深く理解できるだろうなと思わせる1冊です

 

 

私のレベルが低いだけですね(^^) 

 

 

※武田鉄矢さんのラジオ「今朝の三枚おろし」でも紹介されています。

 先にこちらを聞いてから、読んでみると理解しやすいかもしれません。

 

 

武田鉄矢「今朝の三枚おろし」より

「弓と禅」 あらすじ&内容紹介

 

新カント派のドイツの哲学者であるオイゲン・ヘリゲルは、

 

長年哲学を研究する中で、自分には何か真理を理解するに欠けている何かがあるのでないかと思うようになります。

 

 

そんな時、東北帝国大学で数年間、哲学を教えないかという話がきます。

 

 

もしかしたら日本文化の中に「欠けている何か」を見出す事ができるのではという期待から、依頼を引き受け、来日します。

 

なんとか、日本滞在中に日本文化の神髄を理解したいと思った、ヘリゲルは奥さんと様々の日本文化を経験します。

 

その中から続けるものとして、ヘリゲルは「弓道」を選びます。

 

 

自身が射撃の経験がある事から、弓道なら何とかなるだろうと考えたようです。

 

しかし、弓の師匠である阿波研造からの指導を受けると、そのような考えは、甘かった事を嫌という程、思い知らされます。

 

 

禅問答にも似た「阿波研造」師の教えはドイツ人であるヘリゲルはあまりにも難解で簡単には理解できるものではありませんでした。

 

 

しかし、心折れる事なく、

 

在日中、熱心に弓道の稽古に取り組んだヘリゲルは、数年後ドイツに帰国する際には、研造より五段を許されます。

 

 

本書「弓と禅」は難解な師匠の教え、それを理解しようと苦しむヘリゲルを中心に抱えています。

 

※奥さんによるとヘリゲルはドイツ帰国後にも弓を大切に、稽古に励んでいたそうです。

 日本での経験がヘリゲルの人生に大きな影響を与えたのだと思います。

 

 

 

作者はドイツ人哲学者「オイゲン・ヘリゲル」さん

 

本の題名からは想像できませんが・・・

 

「弓と禅」作者はドイツ人です。

 

名前は「オイゲン・ヘリゲル」さん

 

哲学者だそうです。

 

(前述の内容と重複しますが簡単に・・・)

 

ヘリゲルは東北帝国大学に哲学講師として招かれ、来日します。

 

その間に日本文化を深く知るために、奥さんと一緒に弓道を学び始めます。

 

その時の先生が弓聖とまで言われた名人、阿波研造 (あわけんぞう)師でした。

 

 

 

そして、弓の深い世界に魅了されていきます。

 

ヘリゲルが帰国後に、日本での弓道の経験を講演したり、書いたりしたものを、まとめたものが「弓と禅」という本です。

 

 

ヘリゲルは大学の先生としては成功したものの、当時はナチス政権下、晩年は苦難の日々を過ごしたそうです。

 

その時にヘリゲルの精神的な支えになったのは「葉隠」だったそうです。

 

なかなかシブい・・・。

 

 

 

 

ヘリゲル氏の師匠 弓聖「阿波研造(あわけんぞう)」とは!?

阿波研造(あわけんぞう)
阿波研造(あわけんぞう)

 

阿波研造はヘリゲルが教鞭を取った東北帝国大学の弓道部師範を務めていました。

 

その関係でヘリゲルは研造に弟子入りをする事になったのかもしれません。

 

 

若い頃、武道研鑽に熱心だった研造は、麹業を営みながら自宅に道場を作り、弓道だけでなく様々な武道を稽古しました。

 

そして、29歳の時に麹業を廃業し、弓道の指導者を生業とする決意をします。

 

さらに研鑽を重ねた研造は京都の大日本武徳会演武大会に出場し、全国に、その名を知られるようになります。

 

 

やがて、

 

弓と禅の極意は通じるという「弓禅一味」の境地にいたり、弓聖と呼ばれる大名人になります

 

 テクニックとしての弓を否定し、精神修養を目的として弓道を目指した。

 

 大射道教という流派を起こす。

 

 

 

●阿波研造の弓

阿波研造のすごい!エピソード

 

研造は技術のみの弓を曲芸と嫌い、「心で射る弓」弓禅一如を説きました。

 

そんな研造が偉大な弓道家であることが分かるすごいエピソードがあります。

 

ドイツ人の哲学者であるヘルゲルさんは、バリバリの合理主義者だったのか、はじめ研造の説く「心で射る弓」がどうしても理解できませんでした。

 

そんなヘルゲルさんに、

 

研造は「納得できないようであれば、夜の9時に自宅の道場に来るように」と伝えました。

 

 

 

改めて、

 

夜9時に自宅の道場を訪問したヘルゲルさんの前で、研造は驚く弓の神髄を見せます。

 

的から三寸ほど前に蚊取り線香を1つ立てました。

 

 

しかし、

 

街灯などがある現在と違い、当時の夜9時は真暗で、

 

蚊取り線香の灯りは暗闇を照らすばかりで、全く窓は見えません。

 

 

 

そのような状態で研造は矢を二本放ちます。

 

1本目は的の真ん中に命中します。

 

 

全く的が見えない中、それだけでも驚異的なのですが、なんと

 

 

2本目は1本目の矢筈に中たり、その矢を引き裂いていました。

 

 

この時、研造はヘルゲルさんに

 

 

「先に当たった甲矢は大した事がない。数十年馴染んでいる垜(あづち)だから的がどこにあるか知っていたと思うでしょう、しかし、甲矢に当たった乙矢・・・これをどう考えられますか」

 

 

と言ったそうです。

 

 

人間技とは思えない神業エピソードですが、ヘルゲルさんが実際に目撃した事なので、事実なのだと思います。

 

 

私が稽古している合気道もそうなんですが、昔の武道の達人には信じられないような伝説が残っていたりします。

 

 

 

 

「弓と禅」はスティーブ・ジョブズの愛読書だった!?

 

アップルやピクサーの創業者として有名なスティーブ・ジョブズが座禅を習慣にし、禅の思想に傾倒していた事は有名です。

 

 

そんなジョブズの愛読書の一つが、この「弓と禅」だそうです。

 

その影響で数年前に日本で「弓と禅」の再ブームが来たそうです。

 

 

日本武道の精神が、世界的な経営者に影響を与えたと思うと、とても面白いですね。

 

 

 

 

弓道の海外での反応

 

私が稽古している合気道も今やヨーロッパやアメリカを中心に海外で非常に人気の武道になっております。

 

 

弓道も合気道と同様に世界中に愛好者がたくさんおられるようです。

 

ですから、ジョブズだけではなく、この「弓と禅」は多くの海外の方に読まれているのだと思います。

 

 

私も合気道でフランスとアメリカに行かせていただきましたが、

 

ただのスポーツとしてではなく、深い精神性を理解しようとされている修行者が多かったように思います。

 

 

弓道や合気道などの日本武道は、

 

もともとは戦場で人を殺す技術、それが禅と結びつき、「人殺し」とは真逆の人間修養の道になった事を海外の方は不思議に思うと共に、たまらない魅力を感じるようです。

 

 

 

ヘリゲルも日本文化を理解する習い事を探している時に、多少の射撃の経験があったので弓道を選んだそうですが、「全くの別物だった」と著書で述べています。

 

 

 

 ↓弓道の本質を掴もうと熱心に取り組む海外の方の動画。逆に日本人の私達が見習わないといけないですね

 

「正射必中」ゴディバジャパンの社長は弓道の精神を経営に

これは少し余談ですが・・・

 

ゴディバジャパン株式会社の社長ジェローム・シュシャンさんは30年以上、弓道の稽古を続けて、錬士五段の腕前だそうです。

 

ジェロームさんは弓道で学んだ事がご自身の経営に活かされているといいます。

 

「正射必中」

 

正しい姿勢と正しい心で射を行えば、必ず中(あた)る 必ず結果はついてくる。

 

結果にとらわれず、正しい姿勢とプロセスを行えば、自ずと結果は付いてくるそうです。

 

阿波研造はヘリゲル「的に当てようと思うな」と教えたそうです。

 

同じような意味でしょうか?

 

本当に奥が深いですね

 

弓道・・・

 

 


J・シュシャン×W・リード 対談ダイジェスト「武道の心で人生のターゲットを射つ!」

おがわの合気道自由研究

 

それでは最後に、

 

「弓と禅」の中に書かれている阿波研造師の教えをいくつか紹介し、私が稽古している合気道との共通点がないかをまとめていきたいと思います。

 

 

個人的な見解も含まれますので、

 

以下の内容は参考程度にして、また原書を直接ご自身で読んでみてくださいね。

 

 

 

■呼吸法の教え

あなたが弓を正しく引けないのは、肺で呼吸しているからです。 息をゆっくりと押し下げて、腹壁が適度に張るように、そこで息をしっかりと保ちなさい。 力づくで( 息 を)押し込める こと なく、どうしても必要なだけ息を吸い、吐きなさい。 このように呼吸できるようになると、あなたは力を抜いたまま、負担 軽くなった腕で弓を造作 なく引けます。 というのも、 力の中心を下へと移しているからです。
『複式呼吸の重要性を説いています。 合気道でも同じように上半身は楽に腹で呼吸をする事を重要視されます。 腹を身体の中心に置くと、上半身は楽に、無駄な力を使わず、稽古ができるのだと思います。 たぶん・・・』

■精神現在の教え

「あなたは稽古にやってくる時には」師は注意した。「途中で、すでに心を集中していなければなりませ ん。この道場で行われることに焦点を合わせるのです。〔周りの〕すべてのことに気を取られずに、通り過ぎなさい。あたかも世界に重要で現実的なことはただただ一つ、すなわち弓を射ることだけであるかのように!
『精神現在と阿波研造師は説かれています。 稽古に来るときは、弓を射る事だけに集中しなさいと・・・。 これは私も稽古前の礼の段階で意識をしています。 日常の煩わしい事は一旦ここで忘れて、稽古に集中しようといつも心掛けています。 現在に集中するというのは、最近注目されていうる「マインドフルネス」でも重要視されています。 弓道や合気道などの武道の稽古を続けていくと、そのような精神状態にトレーニングになるのでは、ないかと考えています。』

■「的を狙うな」という教え

そして(的中させるために)必要となる構えも、 自身で容易に見つけ出せるでしょう。けれども、もしこれでほとんど、どの射も的に中たるようになったとすれば、あなたは他ならぬ、射の芸者となり、自らをそのように見せることになります。その中たりを数える野心家 にとっては、的はみすぼらしい一片の紙きれに過ぎません。弓道の『 大いなる教え』は、こういったことを全く悪魔の仕業と見做します。『大いなる教え』は、 射手から一定の距離をとって置かれた 的については何も知りません。それが知っているのは、決して技術的なやり方では射中てることが出来ない的であり、 この的のことを、もしそもそも名を与えるとすれ ば、仏陀と名付けているのです」
『ただ単に的に当てるだけの弓道は邪道だと説いています。 たとえ100発100中で的を射抜く事が出来ても、それは弓道ではないと・・・ 的に当てようとする邪心をなくしなさいと師はヘリゲルに説きます。 合気道もただ単に関節技が効いたり、強く投げる事ができれば良いというとそうではないと思います。 逆に技が効かなくても良いかというとそうではないとも思います。 ただ技を効かそうとしたり、崩そうとする欲を出すと、自分の姿勢が崩れて逆に無理やりな技になる事は多いです。 正しい姿勢や呼吸をすれば、自ずと技も効いてくるというのが大切なのかと思います。』

■「それ」が射る

ある日、私の射が放たれた瞬間、師は叫んだ。「それが現われました!お辞儀しなさい」私はつい的の方を見た時-残念ながら、見る事を諦められなかったが-矢は的の縁をかすったに過ぎなかったことを見出した。 (中略) 『それ』が射、『それ』が中てるというということが、何を意味しているのか、今やお分かりでしょうか?
『阿波研造師は「それ」と表現していますが、 神様や仏様のような、超越した存在の事を表しているのだと思います。 「それ」が現れた時、ヘリゲルの射は的に命中していません。 それでも「それが正しい射だ」と師は言います。 これは的に中る中らないが問題ではなく、ヘリゲルが「無心」の素晴らしい精神状態で射たという事なのだと思います。 これとよく似ていますが、合気道の植芝盛平開祖も、神様が技をしてくれるというような事を言われています。 弓道と合気道と違う武道ですが、達人は同じような境地に達するのかもしれません。』

参考文献

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